ココロの旅

お母さんと旅に出る ~其の4~

これまでのお話。

お母さんと旅に出る ~其の1~

お母さんと旅にでる ~其の2~

お母さんと旅にでる ~其の3~

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私が思い立ってから10日後に母と旅に出ることが決まった。


最近の旅行は、思いつきで決めることが多い。

心配性の私の旅行準備は入念で自分でも大変だからだ。
特に持ち物は抜かりない状態でありたい。

昔は海外出張が多かった。
よく足りないものは現地で調達などと聞くが、それを信じないことを私はお勧めしている。ないものはないし、あっても調達に時間を取られたり、予想外の値段で買うことになっては本末転倒だし、とても悔しい。

まあ、話のタネにはなるけれど。

性格上、あまり早くから日程を決めてしまうと色々と考え過ぎて大変だから、最近はさっと計画して、短期間でさっと準備して、さっと行くのが好きだ。


私はこの旅で2つのミッションを掲げた。

ミッションはインポシブルではいけない。実行可能なミッションにした。


一、母に東京事件を覚えているのかを尋ねる。

一、旅行中、どこかの場面で母と手をつなぐ。


私にとっては、どちらもハードル高めだが、自分の意思次第で実行可能だ。


一つ目については、私の中のモヤモヤを解消するのが目的だ。

二つ目は、何となくそう思った。

「お母さんと手をつなぐ」

理由はわからないが、私の中から出てきた。


とにかく、ただ行ってきました~、終わり。

となるのは嫌だった。


っていうか、

普通旅行ってもっとワクワクドキドキしながら行くものではないのか?

「わ~い、楽しみ♡」って何も考えずに行って

「楽しかったね♡」って終わるものじゃないのか?


何だかミッションとかおかしな展開になっている気もするが、私がそうしたいのだから、仕方がない。

『ミッションポシブル』という物語のはじまりだ。

出発までの全ての準備は完了した。


もう後は行くだけだ。

そう思っていた矢先、

出発5日前に事件は起きた。


母が道で転んでケガをしたのだ――。


つづく

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