#27『メディック!』【第5章】 5-6 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-6 前回のお話を読む(#26第5章 5-5へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 「な、あいつ!」 飛び出しかけた勇登の腕を誰かが引いた。 振り返ると、そこには五郎がいた。 *  宗次は自分が飛び込んでいることに気づいた。  ――本当は諦めたくなかった。だから、プールに戻ってきた。  どうしてか水中ではすべてが鮮明に見え、これまでとは違う景色がそこに広がっていた。考えなくても身体は勝手に動いて、この後の動きも全てわかっていた。 深いプールの ...

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#26『メディック!』【第5章】 5-5 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-5 前回のお話を読む(#25第5章 5-4へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  訓練終了後の教官室では、宗次の件が議題になっていた。 武造からことの詳細をきいた五郎は、もうしばらく様子を見る、という決断をして本日は解散となった。  武造は小さく息をついた。 今回先輩教官の補佐を受けながら、自分が水難救助訓練をメインで担当している。責任ある仕事だ。 ここ数日、頭には常に宗次のことが張り付いている。 寝ても覚めても彼のこと。 はっきりい ...

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#25『メディック!』【第5章】 5-4 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-4 前回のお話を読む(#24第5章 5-3へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  その夜、ベッドに横たわった宗次は、真っ暗な天井を見つめていた。あの後訓練に戻ったが、座学の授業だったので、プールに入ることはなかった。  酸素ポンべを使った訓練は、お互いの信用があってはじめて成り立つ訓練だ。 プールの角から次の角に移動するとき、前にいた人が譲ってくれると信じれるから、今いるボンベを離れることができるのだ。 昔プールでいじめられたとき、奴 ...

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#24『メディック!』【第5章】 5-3 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-3 前回のお話を読む(#23第5章 5-2へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  翌日。プールでは再び同じことが繰り返されていた。 「もう、帰れ、やめちまえ」 武造は宗次に冷たくいい放った。 「帰りません。やらせてください」「できねー奴がいると、他の学生の訓練にならねーんだよ」 「――!」 宗次は四つん這いで荒い呼吸のまま武造を見上げた。  沈黙するしかなかった。そうだ、自分のせいで皆が訓練できていない。それさえもわからないなんて、 ...

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#23『メディック!』【第5章】 5-2 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-2 前回のお話を読む(#22第5章 5-1へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  真っ赤な夕日が滑走路の向こう側に沈もうかという頃、勇登は宗次を橋の上で発見した。 小牧基地内には犬山川が流れており、その川を垂直にまたぐ形で滑走路や誘導路がある。そして、人や車が通るための橋が基地内には架けられていた。橋の上からは飛行場地区と今にも沈みそうな夕日が見えた。 「早まるな!」 勇登は叫びながら宗次に駆け寄った。 「この川じゃ死ねないと思うよ」 ...

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セッションのご感想 75

Sさまからご感想を頂きました!! ①【和泉りょう香のセッションの印象はどうですか】 しっかり じっくり あたたか 前向き 肯定的 整理された という印象でした! ②【セッションを受けて気持ちの変化などはありましたか】 話をしっかり聞いてくださるし、必要なところにはじっくり待ってくださり、落ち着いて自分の気持ちをみようとすることができました。 また、客観的な意見(「本当の私」の気持ち)をズバッと言ってもらえて、それも私かぁ〜そう言われてみたらそうだよね!という風に、あまり肯定できていなかった私の側面を見つけ ...

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#22『メディック!』【第5章】 5-1 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-1 前回のお話を読む(#21第4章 4-3へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期  水面を見上げると、自分の鼻から漏れた息が円になって水面にあがっていくのが見えた。 力を振り絞って足裏で水を蹴る。 プールサイドに立つ数人の人影は、水のフィルターを通して歪んで見えた。 水面に近づいた瞬間、何か棒のようなもので押されて再び水中に返された。 遥か下にある底を見ると、暗い海の底に引きずり込まれる感覚にな ...

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#21『メディック!』【第4章】 4-3 俺×教官 メディックの種

第4章 俺×教官 メディックの種 4-3 前回のお話を読む(#20第4章 4-2へ)第4章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ)  その夜。  吉海の音頭で4枚目の写真を撮ることになった。入校式を記念しての写真だ。  今回は全員飛行服と決まった。飛行服は、搭乗員にしか支給されない。OD色のツナギで首から股下まで延びる銀のファスナー、ウエストの両サイドはマジックテープになっており、自分のサイズに合わせて調節が可能だ。腿の当たりにはメモをはさめるクリップ。ズボン部分の裾もファスナーで開け閉めができ、飛行 ...

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#20『メディック!』【第4章】 4-2 俺×教官 メディックの種

第4章 俺×教官 メディックの種 4-2 前回のお話を読む(#19 第4章 4-1へ)第4章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  ――7月。  突き抜けるような晴天が夏の訪れを感じさせる日、小牧基地で救難員課程の入校式が実施された。  勇登が救難教育隊に転属してもう5カ月となるが、ここからが本当のスタートといってもいい。入校式を終えれば、そこから24週間の過酷な訓練を乗り越えなければならない。UH-60Jでの落下傘降下を含めた飛行実習、夏季山岳実習、海上総合実習、そして最後に、冬季山岳実習を ...

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セッションのご感想 74

Sさまからご感想を頂きました! ①【和泉りょう香のセッションの印象はどうですか】音声機能のみということで、話に集中できた気がしました。また、いずみんさんの明るいトーンの声に安心し、丁寧にわたしの言葉を拾い上げてくださるところに、信頼感が生まれました。60分で確実に得るものがありました。②【セッションを受けて気持ちの変化などはありましたか】セッション中は、いずみんさんの言葉に自然と涙し、自分の心に届いたんだな、とわかりました。その後、母親との振り返りを素直な気持ちで出来たと思います。今までの自分を認めること ...

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小説『メディック!』

2021/10/20

#27『メディック!』【第5章】 5-6 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-6 前回のお話を読む(#26第5章 5-5へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 「な、あいつ!」 飛び出しかけた勇登の腕を誰かが引いた。 振り返ると、そこには五郎がいた。 *  宗次は自分が飛び込んでいることに気づいた。  ――本当は諦めたくなかった。だから、プールに戻ってきた。  どうしてか水中ではすべてが鮮明に見え、これまでとは違う景色がそこに広がっていた。考えなくても身体は勝手に動いて、この後の動きも全てわかっていた。 深いプールの ...

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小説『メディック!』

2021/10/20

#26『メディック!』【第5章】 5-5 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-5 前回のお話を読む(#25第5章 5-4へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  訓練終了後の教官室では、宗次の件が議題になっていた。 武造からことの詳細をきいた五郎は、もうしばらく様子を見る、という決断をして本日は解散となった。  武造は小さく息をついた。 今回先輩教官の補佐を受けながら、自分が水難救助訓練をメインで担当している。責任ある仕事だ。 ここ数日、頭には常に宗次のことが張り付いている。 寝ても覚めても彼のこと。 はっきりい ...

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小説『メディック!』

2021/10/13

#25『メディック!』【第5章】 5-4 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-4 前回のお話を読む(#24第5章 5-3へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  その夜、ベッドに横たわった宗次は、真っ暗な天井を見つめていた。あの後訓練に戻ったが、座学の授業だったので、プールに入ることはなかった。  酸素ポンべを使った訓練は、お互いの信用があってはじめて成り立つ訓練だ。 プールの角から次の角に移動するとき、前にいた人が譲ってくれると信じれるから、今いるボンベを離れることができるのだ。 昔プールでいじめられたとき、奴 ...

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© 2021 和泉りょう香