ココロの旅

お母さんと旅に出る ~其の3~

母と私の二人でディズニーシーへの旅に出ることが決まった。

当初1泊2日で計画をはじめたが、母はいい年、私は運動不足で体力がない。

折角行くのだからと2泊3日にした。

立案、チケットの手配などの全てを私が担当。

これは私の得意分野でもあり苦ではない。

昔とは逆で『私が母を連れて東京方面に行く』という格好だ。


最近の流行り病も気にはなるし、かなり注意している。その証拠にこの半年の私の行動範囲は家周辺くらいだった。が、ここ数ヵ月私は何かを焦っている。

もし、親が病気にかかって死んでしまったら?

そんなことをよく考える。


親に対して不満がないわけではない。むしろ結構ある。言えていない言葉が沢山ある。

それでも、親の顔を思い出すだけで、不思議と泣けてくる日もあった。


人は誰しも必ず死ぬ。

親もいつかは死ぬ。

例外は一人としてない。

そう思うと焦らずにはいられなかった。


私は、お母さんと一緒に出掛けることで一体何を得たいのだろう?

私は、お母さんに何を与えたいのだろう?


現時点で明確な答えはない。理想もない。

ただ、二人で出かけることで、何かが変わるかもしれない、という期待だけが存在している。


心理学でいうと、期待は裏切られる、らしい。

それでも期待してしまうのは、ひじょうに人間らしい、と私は思う。

つづく

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