ココロの旅

お母さんと旅に出る ~最終回~

これまでのお話。

お母さんと旅に出る ~其の1~

お母さんと旅にでる ~其の2~

お母さんと旅にでる ~其の3~

お母さんと旅にでる ~其の4~

お母さんと旅にでる ~其の5~

お母さんと旅にでる ~其の6~

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 いつからか、かなり早い段階で、私がどこか頼りない母を引っ張るようになっていたように思う。
 でも、私は、ずっとお母さんに先に手を引いてもらいたかった。
 私が先に立って引っ張るのではなくて。

 小学生の頃、母と東京に行っていれば、母は私の手を引いて東京に行ったに違いない。私はついていくだけで済んだ。その光景に、私は憧れていたのかもしれない。
 逆転してしまったこの関係を元に戻したい。心のどこかでそう思っていたのかもしれない。 

 あの日、東京ディズニーシーで私に手を引かれるお母さん。母の温かく小さな手から、小さなお母さんを見た。
 きっとそれは私が子供の頃から母の中に見ていた何か。
 いろんなことが仕方がないと思えた。母はこんなに小さいながらも、きっと彼女なりに私の母をしてくれていたのだ。

 ――私はどうしてお母さんと手をつなぎたかったのだろう。
 ああ、私はお母さんと繋がりたかったのだ。
 繋がった母はとても小さかった。

 私の中にどこか寂しくやるせない気持ちがあった。

 私は心のどこかで母を助けたいと思いながらも、本当はお母さんを見たくなかった。
 見て、本当にわかってしまったら、理解してしまったら、私がその役をやるしかないから。
 私は私のさみしいやるせない気持ちを先に母にわかって欲しかった。私が母を理解するより先にだ。
 だから、見て見ぬふりをしていた部分もあったのかもしれない。
 でも、それも仕方ない。当時、私は子どもだったのだから。見たくなかった自分がいてもいいと思う。

 本当は甘えたかった自分。
 私がわたしの気持ちに気がついてあげる。
 最後にそれが出来れば大丈夫。
 私はわたしの気持ちに気がついた。
 だから、これでいい。

 2泊3日。
 私は母と旅に出た。
 それは、結構楽しかった。

終わり

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 最後までお読みいただきありがとうございました。

 旅行は9月のことで既に書くことも決まっていたのに、先延ばしゆるゆる癖が!
 年末になったので焦って(笑)アップしました。来年も自分のペースを保ちつつ私らし過ぎる感じで行こうと思います~。

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