#34『メディック!』【第7章】 7-1 俺×母 降臨

第7章 俺×母 降臨 7-1 前回のお話を読む(#33第6章 6-5へ)第7章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 第7章 俺×母 降臨  宗次が折り入って話があるというので、休日勇登は彼を喫茶PJに連れて来た。宗次もPJという名前に反応したが、意味は不明というとがっかりした。 勇登はいつものカウンターではなく、テーブル席に宗次と座った。 「俺、やばいかも」 宗次は開口一番そういった。  「なにが?」  宗次は辺りをキョロキョロと確認した。「……浅井さんのこと、好きになったかも」 「えぇ!あの男女 ...

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#33『メディック!』【第6章】 6-5 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-5 前回のお話を読む(#32第6章 6-4へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  翌日。  ナオは勇登に電話した。ナオは昨晩の『志島勇登について語る会(主に悪口)』が気に入ったらしく、美夏はしばらく泊めてもらえることになったからだ。 「勇登のやつ、たまに電話でなかったりするんだよね」 ナオは、またか、という顔をしていった。 「電話に気づかないなんて、ありえないわ」「そうなの?」 「自衛官は基本24時間勤務なの。呼集がかかれば、即呼ばれるの。だから、 ...

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#32『メディック!』【第6章】 6-4 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-4 前回のお話を読む(#31第6章 6-3へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  その夜。 美夏が風呂からあがると、氷水が用意されていた。 「そういえば、パイロット目指してるんだよね。さっきは墜落とかいってごめんね」  美夏はナオがそんなことまで気にしてくれたのかと驚いた。 勇登に連れられてここに来たときは、歓迎されてない気がして少し怖かったが、本当は優し人なんだ、と美夏は思った。 「いえ、大丈夫です。小学生の頃私が、墜落が怖い、っていったら志島君 ...

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#31『メディック!』【第6章】 6-3 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-3 前回のお話を読む(#30第6章 6-2へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  ――カラン、カラン。  店のドアが勢いよく開いて、ナオの勇登センサーはすぐに反応した。週末から夏季休暇に入るという情報は既に得ていたから、レバーの準備もバッチリだった。  ナオが笑顔で出迎えると、勇登は目の前で手を合わせた。「ナオ、今晩一晩、泊めてくれ」 「え?な、な、な、なんで?勇登を?」 ナオは瞬時に赤くなった。想定外過ぎる言葉だ。 「いや、俺じゃなくて」 勇登は ...

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#30『メディック!』【第6章】 6-2 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-2 前回のお話を読む(#29第6章 6-1へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  小学校の同級生であった美夏は、クラス会の翌年航空学生に受かっていた。現在は戦闘機パイロット目指して、浜松で教育を受けている。 勇登は入隊後、偶然入間で会ったことがあったが、時間がなくて少し話しただけだった。  宗次は勇登を散々疑いの眼差しで見ながらも、飛行機の時間があるので実家に帰っていった。  勇登は何事もなかったふうに、美夏をリビングのソファーに案内したものの、内 ...

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#29『メディック!』【第6章】 6-1 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-1 前回のお話を読む(#28第5章 5-7へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 第6章 ナオ×美夏 セラピスト  待ちに待った夏季休暇がやってきた。  訓練終了後、皆がいそいそと帰省支度をするのを、勇登はベッドの上に座って見ていた。  同期で唯一の妻子持ちの剣山は、ここに来てからずっと家族に会いたがっていた。卒業して次の赴任先が決まったら、また家族と暮らす予定だと話してくれた。そして、一番に居室を出て家族のもとへ帰っていった。  吉海はどうやら同じ基地 ...

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#28『メディック!』【第5章】 5-7 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-7 前回のお話を読む(#27第5章 5-6へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  訓練終了後、勇登は宗次に呼び出され、橋の上に来た。 「浅井さんって、扉全閉してても、勢いだけでぶち破ってくるような人だな」 宗次が呆れ顔で、でも少し嬉しそうにいった。 「俺、そういう人、他にも知ってる」 勇登には母の顔が思い浮かんでいた。 ただ、彼女の場合は、開かないドアは開くまで執拗にノックし続ける感じだろうか。それはそれで恐ろしい。「WAFはそういう ...

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#27『メディック!』【第5章】 5-6 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-6 前回のお話を読む(#26第5章 5-5へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 「な、あいつ!」 飛び出しかけた勇登の腕を誰かが引いた。 振り返ると、そこには五郎がいた。 *  宗次は自分が飛び込んでいることに気づいた。  ――本当は諦めたくなかった。だから、プールに戻ってきた。  どうしてか水中ではすべてが鮮明に見え、これまでとは違う景色がそこに広がっていた。考えなくても身体は勝手に動いて、この後の動きも全てわかっていた。 深いプールの ...

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#26『メディック!』【第5章】 5-5 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-5 前回のお話を読む(#25第5章 5-4へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  訓練終了後の教官室では、宗次の件が議題になっていた。 武造からことの詳細をきいた五郎は、もうしばらく様子を見る、という決断をして本日は解散となった。  武造は小さく息をついた。 今回先輩教官の補佐を受けながら、自分が水難救助訓練をメインで担当している。責任ある仕事だ。 ここ数日、頭には常に宗次のことが張り付いている。 寝ても覚めても彼のこと。 はっきりい ...

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#25『メディック!』【第5章】 5-4 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期

第5章 (宗次×亜希央)+俺 もう一人の同期 5-4 前回のお話を読む(#24第5章 5-3へ)第5章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  その夜、ベッドに横たわった宗次は、真っ暗な天井を見つめていた。あの後訓練に戻ったが、座学の授業だったので、プールに入ることはなかった。  酸素ポンべを使った訓練は、お互いの信用があってはじめて成り立つ訓練だ。 プールの角から次の角に移動するとき、前にいた人が譲ってくれると信じれるから、今いるボンベを離れることができるのだ。 昔プールでいじめられたとき、奴 ...

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小説『メディック!』

2021/12/8

#34『メディック!』【第7章】 7-1 俺×母 降臨

第7章 俺×母 降臨 7-1 前回のお話を読む(#33第6章 6-5へ)第7章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 第7章 俺×母 降臨  宗次が折り入って話があるというので、休日勇登は彼を喫茶PJに連れて来た。宗次もPJという名前に反応したが、意味は不明というとがっかりした。 勇登はいつものカウンターではなく、テーブル席に宗次と座った。 「俺、やばいかも」 宗次は開口一番そういった。  「なにが?」  宗次は辺りをキョロキョロと確認した。「……浅井さんのこと、好きになったかも」 「えぇ!あの男女 ...

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小説『メディック!』

2021/12/8

#33『メディック!』【第6章】 6-5 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-5 前回のお話を読む(#32第6章 6-4へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  翌日。  ナオは勇登に電話した。ナオは昨晩の『志島勇登について語る会(主に悪口)』が気に入ったらしく、美夏はしばらく泊めてもらえることになったからだ。 「勇登のやつ、たまに電話でなかったりするんだよね」 ナオは、またか、という顔をしていった。 「電話に気づかないなんて、ありえないわ」「そうなの?」 「自衛官は基本24時間勤務なの。呼集がかかれば、即呼ばれるの。だから、 ...

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2021/12/1

#32『メディック!』【第6章】 6-4 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-4 前回のお話を読む(#31第6章 6-3へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  その夜。 美夏が風呂からあがると、氷水が用意されていた。 「そういえば、パイロット目指してるんだよね。さっきは墜落とかいってごめんね」  美夏はナオがそんなことまで気にしてくれたのかと驚いた。 勇登に連れられてここに来たときは、歓迎されてない気がして少し怖かったが、本当は優し人なんだ、と美夏は思った。 「いえ、大丈夫です。小学生の頃私が、墜落が怖い、っていったら志島君 ...

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© 2021 和泉りょう香