☆初回60分無料セッション受付中です! ☆自衛隊小説『メディック!』連載中! 

小説『メディック!』

2021/12/8

#34『メディック!』【第7章】 7-1 俺×母 降臨

第7章 俺×母 降臨 7-1 前回のお話を読む(#33第6章 6-5へ)第7章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) 第7章 俺×母 降臨  宗次が折り入って話があるというので、休日勇登は彼を喫茶PJに連れて来た。宗次もPJという名前に反応したが、意味は不明というとがっかりした。 勇登はいつものカウンターではなく、テーブル席に宗次と座った。 「俺、やばいかも」 宗次は開口一番そういった。  「なにが?」  宗次は辺りをキョロキョロと確認した。「……浅井さんのこと、好きになったかも」 「えぇ!あの男女 ...

ReadMore

小説『メディック!』

2021/12/8

#33『メディック!』【第6章】 6-5 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-5 前回のお話を読む(#32第6章 6-4へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  翌日。  ナオは勇登に電話した。ナオは昨晩の『志島勇登について語る会(主に悪口)』が気に入ったらしく、美夏はしばらく泊めてもらえることになったからだ。 「勇登のやつ、たまに電話でなかったりするんだよね」 ナオは、またか、という顔をしていった。 「電話に気づかないなんて、ありえないわ」「そうなの?」 「自衛官は基本24時間勤務なの。呼集がかかれば、即呼ばれるの。だから、 ...

ReadMore

小説『メディック!』

2021/12/1

#32『メディック!』【第6章】 6-4 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-4 前回のお話を読む(#31第6章 6-3へ)第6章をまとめて読むはじめから読む(プロローグへ) *  その夜。 美夏が風呂からあがると、氷水が用意されていた。 「そういえば、パイロット目指してるんだよね。さっきは墜落とかいってごめんね」  美夏はナオがそんなことまで気にしてくれたのかと驚いた。 勇登に連れられてここに来たときは、歓迎されてない気がして少し怖かったが、本当は優し人なんだ、と美夏は思った。 「いえ、大丈夫です。小学生の頃私が、墜落が怖い、っていったら志島君 ...

ReadMore

小説『メディック!』

#30『メディック!』【第6章】 6-2 ナオ×美夏 セラピスト

第6章 ナオ×美夏 セラピスト 6-2

前回のお話を読む(#29第6章 6-1へ)
第6章をまとめて読む
はじめから読む(プロローグへ)


 小学校の同級生であった美夏は、クラス会の翌年航空学生に受かっていた。現在は戦闘機パイロット目指して、浜松で教育を受けている。
 勇登は入隊後、偶然入間で会ったことがあったが、時間がなくて少し話しただけだった。

 宗次は勇登を散々疑いの眼差しで見ながらも、飛行機の時間があるので実家に帰っていった。

 勇登は何事もなかったふうに、美夏をリビングのソファーに案内したものの、内心は驚いていた。
 美夏はこんなキャラじゃなかったはずだ。家に来るとなれば、きっと何日か前に連絡をよこすはずだし、急遽用事ができたとしても、事前に連絡してくるはずだ。そういうところは、きっちりしている子だ。
 それに、不自然に明るいところが一番気になる。 

 勇登はこの後、自主訓練しつつも久しぶりに一人になった解放感を味わいながらのんびり過ごす予定だった。
 入校していると、24時間毎日同期と同じ空間で過ごすことになる。住む場所も仕事も同じ、休日であっても帰ってくるところは一緒。慣れてはいたが、たまには一人になりたいものなのだ。そして、夕飯はナオのところで済まそうと思っていた。

 勇登はペットボトルのウーロン茶をにこにこ笑顔の美夏に渡しながらいった。

「久しぶりだな。そっちも休暇か?」
「うん」

「浜松の実家には帰らないの?」
「志島君と同じで、週末いつでも帰れるから」

「なんか、名古屋に用事でもあったのか?」
「ううん、ないよ」

「小牧基地に知り合いでもいるの?」
「ううん、いないよ」

「なんにもないのに、来たの?」
「なんだか、尋問されてるみたい。理由がないと来ちゃ駄目なの?」

「そういうわけじゃないけど……」
「じゃあ、志島君に会いたくてきた、っていうのは?」

「――!」

 そんな風にいわれて悪い気分になる男はいない。
 美夏は初恋の子でもある。だが、なにかおかしい。
 真面目という言葉を絵にしろといわれたら、自分はきっと美夏の姿を描くだろう。それくらい、彼女はしっかりしてる。無計画に行動するなんてかなり怪しい。

 ――まさか、脱柵!?

 脱柵とは、隊員が外出等の許可を得ないまま、基地を抜け出すことだ。そんなことをすれば、処分は免れない。

 勇登が黙ってしまうと、美夏はすくっと立ち上がった。

「じゃあ、帰るね」

 美夏の顔からは、先ほどまでの笑顔が消えていた。

「待て、待て、待て」

 勇登は玄関に行こうとする美夏の腕を引いた。
 このまま彼女を帰してはいけない気がした。
 もう一度ソファにすわらせると、今度は質問攻めにならないようにゆっくり話をきいた。

 
 つづく


※この物語はフィクションです。実在の人物、団体、組織、名称とは一切関係ありません。

メディック!を最初から読む 

目次を見る

『メディック!』自衛隊専門用語集

『メディック!』登場人物紹介

-小説『メディック!』
-, , ,

© 2021 和泉りょう香